【F1】第15戦 シンガポールGP 決勝
シンガポールGP
結果については、すでにネット速報などでご存知の方も多いかと思いますが、ルイス・ハミルトンがポール・トゥ・ウィンを決めて通算69勝目を飾った。
上位陣には何の変動もなく面白みに欠けるレースだった。
その中でフォース・インディアのペレスの走りは、悪目立ちしていた。
ペレスは、スタート直後の第1コーナー入り口で、チームメイトのオコンと接触しコース外に押し出してしまった。
市街地コースのため、退避するためのスペースはなく、オコンを待っていたのは外壁。外壁に衝突したオコンのマシンは大破し、リタイアを余儀なくされる。
レース中盤、ペースの上がらないウィリアムスのシトロキンの後ろについたペレス。
コース幅が狭い市街地コースなので、なかなかオーバーテイクできない。
チームへの無線でペレスは、「なぜ奴は道をあけないんだ」と苛立ちを隠さない。
シトロキンにしてみれば、周回遅れでもないし、道を譲る義理がないのは当たり前。
そして、34周目に事件が起きる。
ようやくシトロキンをイン側からオーバーテイクできたペレスは、それまでの鬱憤を晴らすがごとく、インから、わざとアウトにマシンを振ってシトロキンにアタックし、コース外に弾き出そうとした。
シトロキンのマシンにダメージを与えることに成功はしたものの、悪いことをすれば報いを受けるのが道理。
ペレス自身のマシンもタイヤがパンクしてしまうという致命的なダメージを負うことになる。
さらに悪質な反則行為として、レースディレクションからドライブスルーペナルティを受ける。
タイヤ交換のためにピットインしなければいけなかったので、同時にドライブスルーペナルティも消化できたのは、ペレス側からすると不幸中の幸いだっただろう。
せっかく7番グリットという好位置で決勝をスタートできたペレス。
開始直後にチームメイトに、不可抗力で接触してしまい退場させてしまった負い目と、このアクシデントで順位を落としてしまったという喪失感。オーバーテイクの難しいコースで、自分よりペースの遅いマシンに進路を阻まれ続けるという苛立ち。
実際、シトロキンの後ろにはペレスだけでなく、トロロッソのガスリーらが列をなしていて、渋滞になりつつあったわけで、ペレスだけでなく他のドライバーも、もしかしたら「おいおい、何、ちんたら走ってんだよ。スピード出ないなら、退けよ」と思っていたかも知れない。
シトロキンが周回遅れだったなら、コースマーシャルから青旗が振られて道をあけるよう指示がでていただろう。
私が面白く感じたのは、世界最高峰のF1マシンに乗るレーサーも人の子なんだなと改めて感じられたところ。
常にクレバーで落ち着いてドライビングしていると思っていたけど、結構、感情的になることがあるんですね。
そういえば、ナイジェル・マンセルは、喜怒哀楽をハッキリと表にだしてエキサイティングなレースをしていたな、と思い出しました。